「……桜井さん」
昼休み、お弁当を5分で食べ、2組へ行った。
入り口から1番近い席に座り、本を読みながらお弁当を食べていた桜井さんは、名字を呼ばれて顔の上に〝?〟を浮かべながらやってきた。
私を見た時の、『だれだろう?』っていう声が今にも聞こえてきそう。
まぁ当たり前か。
桜井さんとはまず小学校が違うし、中1の今もクラスは違うし。
「私、3組の本田っていいます。その、ちょっと話があるんですけど……」
「ああ……分かった」
持っていた開いたままの本を閉じ、それを机のうえに置いた桜井さん。
そして私の前に戻ってきた。
とりあえずまずは、桜井さんに裏クラスラインのことを言うことにしたんだ。
だが、トイレで裏クラスラインのことを教えてきた2人と目が合った。
『言うんだ?』という視線。
私は目をそらし、「こっちです」と桜井さんに言って歩き出した。



