真実が導く〝真実〟    ―感情―


「最初はよかったよ。様々な事件を解決できて、気持ちよかった。これは俺たちの天職だ、と何度も思ったさ」

そう言ったお父さんは、隣のお母さんをちらりと見た。

バトンタッチをするような視線に、お母さんは頷いて口を開く。

「警察官っていうのは、事件が起こったあとにしか動けない。でも、その事件が発生する前に私たちは、動きたかった。だれかが犠牲になる前にね– –けれど、警察官っていうのはそういうことはできない。事件の後、対処をする。それが警察官なのよね……」
「…そっか……」

よく考えればそんだ。

今この瞬間にも世界のどこかで事件は発生しているしれない、だったらまず根本から解決したいと思うのは当たり前。


「けれどね……その中では当然、ルールがある。私たちが嫌いな、ルール」

そう言って顔をしかめるお母さんの隣で、頷くお父さん。

2人は自由を愛している。

その遺伝なのか、私もルールに縛られる世の中が嫌い。

でも、そのせいで……?

「ほとんど同時期に私たちは警部になったわ。でも……〝警察組織〟の中のルールにうんざりして、辞めたのよ。上下関係や蹴落とし合い……本当、嫌だったわ

「そうだったんだ……」


『後輩なんだから敬語!!先輩に会ったら挨拶!!』や、『ざんねーん、あたしが裏で手を回したの♡』などという声を想像。

うん、現実とはかなり違うかもだけど、すごく嫌だ。

想像している間に眉間にシワが寄る。

それを見た両親は、「やっぱり遺伝」とクスクス笑った。

上下関係や蹴落とし合いなんてだれだって嫌だろうが、
私は特に嫌悪感を感じる。