矢島さんの一言に、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんの手がそっと離れていくのを感じる。
私はどうにか呼吸を落ちつかせて、腕で目元をこすりながら立ち上がった。
「場所を変えても大丈夫かな?」
「はい」
「久利畳山神社で話そう」
久利畳山神社。
全てが始まった場所。
あの日、秘密基地で目を覚ましてから探しに行ったけど……矢島くんは見つからなかった。
「わかりました……二人とも、行ってくるね」
心配そうな二人にぎこちない笑顔を残し、私は矢島さんと久利畳山神社に向かうためスニーカーをはいた。
乾いたばかりのスニーカーはザラザラして、少し熱い。
だけどそんなことを忘れてしまうくらいの直射日光が、すぐに私たちを襲った。
すっかり馴染んでしまった麦わら帽子を目深に被る。矢島さんは私よりもつばが広い帽子を被っていた。風が吹いて、使い古された帽子のつばがぐにゃりとたわむ。



