「まぁ、そうなの! 真行くん、上がってちょうだい」
お祖母ちゃんがいそいそと食器棚からコップを持ちだし始めたので、観念した表情の矢島くんと玄関へ向かった。
「おじゃまします」
「どうぞどうぞ」
ニッコニコのお祖母ちゃんが食堂から顔を出した。
「おやつもどうぞ食べていって」
「ありがとうございます。あとでなんか持っていきますね」
「いいのよ、亜衣ちゃんがこの間ご馳走になったばかりだし」
え?
この間?
あ、れ……?
「亜衣ちゃん!」
視界が急に黒いもやがかかったみたいになって、気づいたらフローリングの床がすぐ目の前にあった。
「ごめん、立ちくらみがして……」
「お布団敷いてあげるから寝てなさい」
「肩につかまって」
うう、さっきから情けない……。
今日はそこまで暑くないはずなのに、私の身体はどうしたんだろう。
二人の肩を借りて、一階の生活スペースまでゆっくりと移動する。



