風邪でもこんなに苦しくなったことない……!
このままじゃ息もできなくなる!
「どうしたの!? しっかりして!」
背中がふとあったかくなる。
たまらずしゃがみ込んだ私の背中を、矢島くんがさすってくれている。
それに気づいたのと同時に、激痛がゆっくりと治っていく。
ゼーゼーという自分の呼吸音が響いて、真っ暗だった視界がはっきりしだして、はいている水色のサンダルが見えた。
「ありがとう、もう平気……」
そう言って立ち上がろうとしたら、目の前がグラグラ揺れる。
「う……」
「ほら、おぶさって」
その言葉を聞き返す前に、私は矢島くんにおんぶされていた。
「え、いや、自分で歩けるから!」
「ダメダメ、安静にしてないと」
矢島くんはそう言って平然と歩きだした。猫背になっているのは、具合が悪い私が楽な姿勢をとれるように……だと嬉しい。
いやいや、心配してくれてるのに嬉しいってなんなの?



