矢島「はい、僕はあの震災で、兄と兄の家族を亡くしています。兄の子は中学生の男の子で、カメラマンを目指していました」
──あとがきで出てくる甥っ子さんですね。
矢島「ええ。僕にすごく懐いてくれていて、中学校の入学祝いに贈ったカメラで撮った写真をよく見せてくれました」
──小学生や中学生のご家庭に取材を申し込んだのは、お兄さんのご家族が理由なんですか?
矢島「……そうですね、兄たちへの供養のつもりがあったのかもしれません。それか、兄と似たような家庭と接することで自分の傷を癒やそうとしていたのかも」
──矢島さんと同じように、供養や癒やしを求めて買った方もいるかもしれませんね。
矢島「同じような方の供養や癒やしになれれば幸いです。人の力ではどうしようもないものに出会ったとき、どうやって人は生活や気持ちを立て直していくのかを描いています。この三十年という節目に、今一度震災について考えていただきたいです」
──矢島さん、今日は本当にありがとうございました!
矢島「こちらこそ、ありがとうございました」



