それに座って雑誌をめくる。巻頭カラーは新連載のスポーツ漫画で、当時は珍しかった〝ボッチャ〟が題材だ。
ボッチャとはどんな競技なのか。主人公が競技に初めて触れるシーンが読者への説明になっている。絵だとわかりやすいな、小説だとこうはいかない……。
ジャックボールと呼ばれる白い球に、赤と青、それぞれ六球ずつ投げてどれだけ近づけるかで勝敗が決まる。いたってシンプルな競技だ。
懐かしいな、小学生のときイベントでやったことがある。お母さんに連れられていったやつで……パラリンピックの種目を体験してうんぬんかんぬん、がコンセプトだった気がする。
お母さん、どうしてるだろう。
あれから連絡してこないし、私も連絡してない。
このループが始まってから、電話したのはどうにか家に帰る方法を見つけるためで、元気にしてるか、なんて考えてなかったな。
……私を送りだすときは、顔色はどうだったっけ。



