n回目のリフレイン




 私は首を振って思考をリセットした。思い出にひたっている場合じゃない。これからどうするか考えなくちゃ。

 このままじゃ家には一生、絶対に帰れない。


「さぁどうぞ、おかわりもあるからね」

「……いただきます」


 一階の食堂に連れていかれ、出入り口近くのテーブルに座らされた。ここも変わっていない。

 壁にはられた地図に、少し色あせた観光名所のポスター。レトロな振り子時計は十二時四十分をさしている。

 目の前に置かれているお皿には、ちょっとした山になったスパゲッティに真っ赤なミートソースがこれでもかとかかっている。そのてっぺんにウインナーがちょこんと座り、さらに粉チーズが振りかけられていた。

 ……見ているだけで胸焼けしそうだ。


「半分食べて、残りは晩ごはんにするよ」

「あら……そう?」


 残念そうなお祖母ちゃんの顔は何度見ても慣れない。でもどうしようもない。いくら挑戦しても一度に食べきれた試しはないんだから。