ぴったりと閉まった門にそう呼びかけると、誰もいないのに門はゆっくりと開いた。
女の子は恐れずに城の中へと入った。そこは外側よりずっと素晴らしく、色とりどりの宝石や金銀細工が施してあった。
天の国もきっとこのくらい美しいだろうと、女の子はうっとりしながら中を進んだ。
どんどん進んだはいいものの、いっこうに誰の姿も見えないし、声も聞こえない。
女の子は次第に心細くなって、村にいるお父さんやお母さんが恋しくなった。
とうとう行き止まりの部屋にたどり着いて、後ろでは扉が閉まる音が響いた。どうすればいいかわからず、女の子が立ちつくしていると。
『娘よ、お前はなんのために嫁にきたのだ』
不思議な声が部屋中に響いた。
声は高いようであり、低いようでもあった。歪んでいるようで澄んでいて、穏やかであり恐ろしくもあった。
女の子は勇気を振りしぼり、言った。
「村の人たちが、魚を獲れるようにしてほしくて参りました」



