n回目のリフレイン




 最初の、ループするなんて考えてもいなかった一週間。


 民宿の、与えられた部屋に引きこもってた。


 一回目。


 リアルな長い夢を見たと思って、またずっと部屋にいた。


 二回目。


 さすがにおかしいと気づいて、寝ないように飴やドリンクを買いこんだ。


 三回目。


 別のルートで帰ろうとした。


 四回目。


 行き先は決めてなかったけど、布師ヶ浜とは反対の方向へ行こうとした。


 五回目。


 お母さんやお父さんに帰りたいと連絡した。


 六回目。

 七回目。

 八回目。



 …………

 ………

 ……

 …



 何十回目かで数えるのをやめた。


 思いつくだけの方法を試した。


 だけど、どうしても眠くなって。


 起きればまたあの日の座席。



 それでも不思議と怖くなかった。



 どうしてなのか、今ではわかる。




 茉耶のことを考えなくてすむからだ。