矢島さんは言葉少なに、一枚の写真を見せてくれた。
海をバックに大人が三人、それと私と同じくらい子どもが写っている。画質は粗くて古ぼけているけど、この子は、間違いない。
「矢島くん!」
「……そうか、真行だったか」
矢島さんはどこか寂しそうに写真をしまうと、穏やかな笑顔を私に向けた。
「よければ聞かせてくれないか? 真行と出会ったときのこと」
私は鼻をすすると、最初から最後まで矢島さんに詳しく話した。
ループのことはさすがに言わなかったけど、どうして布師ヶ浜に来ることになった理由や、海に引きこまれそうになって助けられたことや、秘密基地でのことを覚えてるだけ。
時間があちこち飛ぶわ、主語がないわでわかり辛い話し方だったと思う。
それでも矢島さんは嫌な顔一つせずに聞いてくれた。
「……ありがとう、僕の甥と仲良くしてくれて」
「甥っ子さん……なんですか」
「そう、三十年前に亡くなった」



