その姿を見た大賀くんが放っておけなくなって、同情から恋心に変わるのはそう遅くなかった──。
ぶんぶんと首を振った。
起きたかどうかもわからないことを勝手に想像するのはいい加減に止めなさい、私。
「そうだ、サンダルウッド」
バッグに入れっぱなしの小瓶を思い出して、店員さんとの会話も思い出した。
──考えすぎて、すぐわかることがわからなくなったりします
──……どうしてこんなことしたんだろう、とか思うこともあります
──わかります、臆病になりますから
──臆病、ですか
──相手を傷つけたくないし、自分も傷つきたくないからです
靴箱の上に置いていたバッグの底から水色の小瓶を取り出すと、ポケットティッシュに一滴だけ垂らしてみた。
ふわりと漂う柔らかな香りに、気持ちが穏やかになった……ような気がする。
「よし、これで……」
私はソファーに戻ってメールを送った。もし大賀くんが原嶋さんを諦められないなら協力しようと決意しながら。



