シェヘラザードに捧げる物語




「さっきの人って友だち?」

「ああ、まぁな」


 大賀くんが目を逸らしながらも肯定した。これはあんまり突っ込まないほうがいいやつかな。


「大学んときの友だちで、司法書士」

「司法書士……」


 正直なところピンとこない。行政書士や税理士とごちゃごちゃになっている。

 かろうじて理解できるのは、法律関係のお仕事だということ。


「法律関係の仕事なのはわかった」

「あー……よくわからんて人も多いよな」

「報道のどの方面担当?」


 大賀くんはコーヒーを飲もうとした手を止めた。


「登記とか遺産相続とか……あとは裁判所に出す書類作ったりしてる」

「へぇ……」

「行政書士はあれだな。役所に出す書類とか契約書や遺言者作ったりしてる」

「ふーん……」


 自分から質問しておいて素っ気なさすぎないか、自分。

 大賀くんはグラスを傾けて気にしてなさそうに見える。それでも話題を繋げたくて、別の方向から切り込むことにした。


「難しいの? 司法書士の資格って」