「書けたよ、出しに行こう」
私がそう言うと、大賀くんは黙って立ち上がった。ガタガタと椅子が動かされる音を背に、私は一足先に廊下に出た。
こっちは西日が差さないから、蛍光灯の光だけがやたらと目につく。もう夜になってしまったんじゃないかと錯覚してしまいそうな暗さに、私は小さくため息を吐いた。
(失恋しちゃった……)
ぼんやりと考えていたら、視界の端を大柄な影がかすった。大賀くんだ。
私たちは職員室までの道のりを、横並びになって進んだ。部活動のある一年や二年ぐらいしか残ってないから、文句を言ってくる人はいない。
こうして大賀くんの横を歩くのは、きっとこれが最初で最後だろうと、何となく察した。
──こうして、私の初恋はあっさりと砕け散った。



