大賀くんは「もしも、何とも思ってない奴から告白されたらどうする?」と訊いてきた。きっとその“何とも思ってない奴”に告白されて、受け入れようか断ろうか迷ってるんだ。
それなら、私が言うべきことはただ一つ。
「怖くない? 何とも思ってなかったのに、いきなり告白されるとか」
……ズルいし、卑怯なのは自分でもよくわかってるつもり。
それでも、大賀くんが誰かと付き合うなんてイヤだった。想像もしたくない。
「そうだな」
大賀くんはひとり言でもつぶやくように応じて、顔ごと窓へ向けた。西日に目を細める彼の顔は、髪は、オレンジ色に染まって濃い陰影を作る。
その姿がなんだか寂しそうで、でもその寂しさは他人が踏み込めないもので、上手く言えないけど、大賀くんとの距離が大きく広がってしまった──そう感じた。
(ああ、失敗した)



