シェヘラザードに捧げる物語




「断る、かな」

「……そっか」

「正直なこと言うと、友だちにもなれないと思う」


 終わった。

 断るだけだったらまだ芽はあると思えた。好きになってもらえるよう振る舞えばいい。

 だけど友だちも無理、となると話は別だ。

 完全に拒絶される。


「怖くない? 何とも思ってなかったのに、いきなり告白されるとか」


 ……女からすると怖いか。

 俺はこの前テレビで見たストーカー事件について思い出していた。自分より上背や力のあるやつは何もしなくても怖いよな。下手な真似すれば危害を加えられるかもしれないって真っ先に思うのも不思議じゃない。

 プラス、俺は人相が悪い。初対面の女は大人であってもまず距離を取る。

 結論、望みなし。

 もっと前から行動していればよかったのか。柔和な顔つきになるようマッサージでもすればよかったのか。

 頭の中であれこれ後悔が浮かんでは消えていく。でも今さらどうしようもない。