シェヘラザードに捧げる物語




 原嶋さんをホテルで保護しようとしたら、その道中で君塚さんに見つかってしまった。

 寄り添う二人に激昂した君塚さんは、二人も浮気をしていたと勘違いして襲いかかり……。

 警察に通報され、聴取されてから一緒にホテルにやってきた。

 これが大まかな経緯。


「だから所長のとこに連絡がいったのか」

「連絡?」

「照屋から原嶋さんからいなくなったって電話があったから、報告したときに教えてもらったんだよ」

「あのときはもう襲われたあとだったのか……」


 照屋さんが額に手を当てた。

 もう少し早く気づいていれば……と言いたげな表情を横目に、私は時系列を整理するために川島さんに向き直った。


「ええと、川島さんが君塚さんが来たって電話をくれたすぐあとにお二人が来たんですか?」

「うーん……すぐではなくて、一時間かそこらでしたかね……」


 それから君塚さんのお父さんがホテルに来て、直接謝罪したいって連絡をもらって……。