畑宮さんはなんとも言えない表情で二人を見ていたが、奥の部屋に君塚さんの父親がいると聞いてそちらに視線を送っていた。
「……とりあえず奥の部屋へ」
柴田の言葉に、俺たちは二人に目礼してから君塚さんの父親が待つ部屋のドアを開けた。
「川島さん……」
「柴田さん」
ちょうど川島さんが壮年の男性──君塚さんの父親にお茶を出しているところで、柴田の声に川島さんが顔を上げて目を瞬かせた。
「あの、そちらの女性は」
「畑宮です。どうしても話さないといけないことがあってきました」
俺たちの後ろにいた畑宮さんが前に出て、君塚さんの父親に近づいた。
一瞬、止めるべきか迷ったが、柴田に袖をつかまれる。
見守りましょう。
目がそう言っているような気がした。
「ちゃんと話すのは初めてですね……畑宮瑤子と申します」
真っ白な頭が動き、畑宮さんに向き直った。
「君塚の……佩人さんの子どもを妊娠しています」



