シェヘラザードに捧げる物語




 ……なるほど、デートを装ってどんな方針で交渉していくかを相談しているわけか。

 いい方法を思いついたみたいだけど、私たちに報告されるとは思ってもいないんだろうな。


「両親には他愛のない話をしたと言っておきますが、それで大丈夫ですか?」

「うーん、趣味とか……そこら辺でいいですかね」

「そうですね、一応うかがってもいいですか?」


 大賀くんの趣味か……高校のときは確かサッカーだったけど、今は変わってるのかな。

 食事が進まなすぎても怪しまれるので、今度はせっせと口に運ぶ。

 牛肉を平らげると、ほどなくしてデザートが出てきたのでこれもさっさと食べる振りをしながら会話に耳をすませた。


「……そういやあいつ、一人キャンプとか前よく行ってたっけな……」


 照屋さんのひとり言が遠くに感じる。

 ミネラルショーに関して盛り上がっている二人の笑い声は、まるでドラマのようで。