私に呼ばれたことにして戻ってらっしゃい、とのありがたいお言葉に甘えさせていただく。
「申し訳ありません、所長に呼ばれてしまいましたのでこの辺で」
なにか言いたげな原嶋さんの父親と彼の腕を引っ張る原嶋さんを残し、俺はその場を後にした。
駅まで歩く道すがら、柴田の言動の意味を考える。
原嶋さんは照屋の言葉が嘘だと言った。つまり二人は付き合ってないということになる。
そして照屋は──原嶋さんの推測が当たっているとすれば──俺たちを監視しに来ていた。
では柴田は?
柴田がたまたま一人で食べに来て、照屋を見つけて一緒に食事をしていた?
……いや、ファミレスじゃないし無理がある。
そもそも接点がほぼない。顔を合わせてもお互いわからないだろう。
かつ、嘘をつく理由がない。
俺は電車に乗ると、シートに座ってスマホを取り出した。
柴田にことの真相を確かめるために。



