シェヘラザードに捧げる物語




「ではその方向で交渉します」


 原嶋さんは頷くと、今度は両親へ報告する内容を相談し始めた。


「両親には他愛のない話をしたと言っておきますが、それで大丈夫ですか?」

「うーん、趣味とか……そこら辺でいいですかね」

「そうですね、一応うかがってもいいですか?」


 俺は了承すると、自分の趣味について話すことにした。


「一人キャンプとか一人旅に行ってましたね。今は忙しくて無理ですが」

「自由でいいですね」

「それからミネラルショーにもたまに行ってます」

「ミネラルショー? ですか?」


 ミネラルショー。

 いわゆる〝石〟と呼ばれるものの大規模な展示即売会だ。

 フェアとかマルシェと呼ばれることもあるが、まぁ大体は同じととらえていい。

 そう説明すると、原嶋さんは目をキラキラさせて質問してきた。


「鑑定とかもできるんですか?」

「鑑定ができる会場もあります。化石発掘体験ができるところとかも」