復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「ここまで来たらもう大丈夫だ」


 穏やかな低い声音が聞こえて、わたしはハッと目を覚ました。だけど、視界はなぜか真っ暗だし、体は小刻みに揺れている。


(だけど、温かい)


 さっきまで恐ろしい状況に置かれていたせいか、人肌らしき温もりにとても安心する。この人すごく抱っこが上手だし、揺れているけど腕が優しいんだもの。

 揺れが収まってから数秒後、視界がゆっくりと広がった。まばゆい日光に目を細めつつ、わたしをここまで運んでくれた人間をそっと見る。

 その人は若い男性だった。銀色のサラサラした髪の毛に、紫色のタレ目、年齢は二十代半ばぐらいだろうか? 物腰が柔らかい中性的な雰囲気の人で、真っ黒なローブを着ている。わたしの視界が暗かったのは、ローブの中に隠されていたかららしい。