復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(生きなきゃ)


 生きて、絶対に復讐する。そうじゃなきゃ、生まれ変わった意味がない。

 誰か助けて!という言葉は、侍女から口の中に押し込まれた布のせいで、くぐもった泣き声に変わった。それでも、わたしは必死に声を上げた。


「うぅっ! うううっ!」


 泣いているせいか、だんだんと息が苦しくなってくる。意識まで朦朧としてきた。


(嫌だ。こんなふうに終わりたくない)


 涙がポロポロと頬を伝う。次いで、お父様やお母様の手のひらの感触を思い出して、胸がギュッと苦しくなった。
 抱きしめられる温もりに、頬や頭を撫でられる感触、可愛いって言われるむず痒さや、言外の愛情。ほんの五ヶ月の間に、前世の十二年間で知らなかったことをたくさん学んだ。


(生きたい――)


 体がふわりと宙に浮く。涙と煙で前がちっとも見えないけど、今度こそ神様がお迎えに来たのかな?
 もうなにも考えられない――わたしはゆっくりと意識を手放した。