復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「わあ、すごい! 手合わせを見るなんて、はじめてです! 楽しみ〜〜!」


 悩んだ挙げ句、わたしはなにもわからない五歳児のふりをすることにした。


(だって仕方がないじゃない! 当事者の二人が乗り気な以上、変に介入しないほうが安全だもの)


 止めるのはわたしじゃなく、お目付け役の大人の仕事だ。……見たところ、彼らもわたしと同じレベルで苦悩しているみたいだけど! 本来ならわたしが気を揉むのはおかしいもん。笑顔の裏で、わたしは考えることを放棄した。


***


 ということで、わたしたちは外の訓練場に移動をする。
 アインハードはなぜかご機嫌で、移動中はおしゃべりが止まらなかった。


「これまで同年代の人間と手合わせをできる機会はなかったから新鮮だな。毎日あれだけ訓練を重ねているし。……まあ、妹の前で恥をかかせてしまったら気の毒だが」


 どうやらアインハードはわたし(とお目付け役)と真逆の心配をしているらしい。