復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(待って。アインハード殿下の魔法の腕前がどれぐらいか知らないけど、手合わせなんてして大丈夫なの?)


 だって、相手はあのゼリックよ。神童現る!と国中の話題をかっさらったというのに、年下のアインハードに敵うはずがないと思うんだけど。


「相手をしてやるのも悪くないな」

(まずいわ)


 このままではアインハードが恥をかくに違いない。もちろん、ゼリックだって手加減をしなきゃいけないこととか、最終的にはアインハードに花を持たせなきゃいけないことは理解していると思うんだけど、心配でたまらないのだ。


(だって、下手すりゃわたしの復讐計画に支障が出る)


 アインハードの機嫌を損ねたらグレゾール伯爵家の心象が悪くなり、わたしの妃への道が遠ざかってしまう。だけど、ここで手合わせを止めるのも、実力を疑っていると思われて(というか実際そうなんだけど!)嫌われる可能性もゼロじゃない。完全に八方塞がりだ。かくなる上は――。