復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(あ、あんのクソ王太子……)


 ちょっと自分の容姿がいいからって……! これでもグレゾール伯爵家自慢の美少女なんだぞ。会う人みんなに「可愛い!」って言われるし、自分でも超絶美少女だと自負しているのに!

 とりあえず、声を上げなかったわたしはものすごく偉いと思う。普通の五歳児じゃこうはいかなかったに違いない。もちろん、めちゃくちゃ腹は立っているけど我慢しなくちゃ。相手は王太子――というか、大事な復讐の糸口なのだし。


「殿下、訂正してください。ブサイクなんてとんでもない。僕の妹は世界で一番可愛いので」


 と、ゼリックが笑顔でアインハードに詰め寄った。笑顔――なんだけど、よく見たら圧がすごい。表情も雰囲気も清らかな天使のままなのに、だからこそ怖いものがある。アインハードもわたしと同じものを感じ取っているのか、たじろいでいる様子だ。


「な、なんで俺が……」