復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「遅いじゃないか、ゼリック」


 そして、すぐに幼い声が聞こえてきた。おそらく王太子のものだろう。


「すみません殿下。少し事情がありまして」

「事情? 俺より優先する事情なんてないだろう?」

(なにを?)


 ゼリックに対してなんて偉そうな! ……いや、身分的には王太子のほうが上だけど、超優秀で純粋なわたしの大事なお兄様にこんな口をきくなんて許せない!


(いったいどんな顔をしてるんだろう?)


 どうせ碌でもない容姿に違いない。というか、そうであってほしい!
 そう思いつつ、ゼリックの背中からヒョコリと顔を出して覗いたわたしはヒュッと思わず息をのんだ。

 サラサラの金の髪に、切れ長の青い瞳、彫刻のように整った超絶美形の男の子がそこにいた。