復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「そちらのご令嬢は?」

「妹です。僕と離れたくないと言ってついてきてしまって」

「お兄様……恥ずかしいです」


 照れたように笑うゼリックの袖を引きつつ、わたしは言う。この男性が王太子に近しい存在だとすれば、わたしが妃に選ばれる可能性が下がってしまうから、そういうことは言わないでほしい! わたしの復讐計画が台無しになってしまう!


「そうでしたか」


 けれど、男性は目を細めてわたしたちを見つめると「こちらへどうぞ」と案内してくれる。真面目で堅物そうだけど、案外優しい人のようだ。


(よかった)


 わたしを勝手に連れてきたことでゼリックが怒られたらどうしようって思っていたけど、取り越し苦労だったみたい。ホッと胸を撫で下ろしていると「あの……」とゼリックが手をあげる。