復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(こんな人生になんの意味があるんだろう?)


 わたしには自分の未来が見えなかった。中学や高校に通う自分が、働いている自分が、笑っている自分が。……ほんの数分後の未来さえも見えない状態だったから当然だ。

 だから、わたしは十三歳のときに自分で自分を終わらせた。
 消えて、楽になりたかった。なにも考えたくなかった。
 ああ、やっとすべてが終わった――そう思っていた。


『ああ、なんて可愛いんでしょう』


 けれど、激しい痛みと衝撃の次にわたしを待っていたのは、温かな腕の感触と優しい声音だった。薄っすら目を開けると、幾人もの大人がわたしの顔を覗き込んでいるのがわかる。視界がぼやけてよく見えないけれど穏やかな笑顔だと感じた。


『生まれてきてくれてありがとう。この子はみんなから愛される王女になるよ』


 わたしの頬へそっと触りながら男性が言う。それは本当に愛情に満ちた表情だった。


(わたし、生まれ変わったんだ)


 自分でも驚くほどすんなりと事態を受け入れることができた。おそらく、それまで散々現実逃避を重ねていたからだろう。

 どちらにせよ、わたしは絶望に満ちたあの日々から抜け出せんだ。たくさん愛してもらえるんだ。今度こそ幸せになれるんだ――そう思っていた。今日、このときまでは。