復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「運転手さん、今日はよろしくね」

「お嬢様……本当にゼリック様についていくんですか?」


 運転手にはあらかじめ賄賂を渡しておいた。だって、こうするしか一緒に王宮に行く方法がないんだもの。
 それに、わたしはゼリックに対して嘘はついていない。『一緒に行きたい』とも、わがままも言わなかったけど、勝手についていくことにした。ただそれだけだから。


「さあ、早くお城に行きましょう? わたし、すっごく楽しみにしているの! 馬車の運転席に乗るのもはじめてだし……」

「リビー……」


 と、背後から声が聞こえてくる。ギョッとして振り返ると、そこには怒りに震えたゼリックがいた。


「お、お兄様……! 馬車に乗ったはずでは?」


 どうしてわたしがここにいるとバレているの? せめて屋敷を出発するまでバレなかったら乗り切れると思っていたのに!