復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「失礼いたします」


 侍女たちのあとに続いて、わたしは応接室に入る。すると、お父様やお母様、ゼリックがこちらを一斉に見た。


「リビー!」


 ゼリックがわたしを見てふにゃりと柔らかな笑みを浮かべる。あまりの愛らしさに心臓がキュンと跳ねた。


(十歳になってもこの純粋さ、可愛さは罪よね……!)


 前世のわたしがゼリックと同じぐらいだったときは、もっとガッツリ擦れていたと思う。もちろん、生育環境の差は大きいけれど、思い返してみればこの時期のクラスメイトたちだって結構ひどかった。からかったりイジメをしたり、ふざけたり騒いだり、全然いい思い出がない。


「お手伝いしてくれてるの?」

「ええ」


 返事をして微笑むと、ゼリックがよしよしと撫でてくれる。相変わらずゼリックは超がつくほどわたしに甘い。あっという間に場の雰囲気がふわりと柔らかくなった。