復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(だけど、ここからじゃなにを話しているか聞こえないよ)


 応接室の外側から、わたしは耳をそばだてる。

 最初はゼリックの腕にしがみついて、一緒に応接室に入らせてもらおうかと企んだ。だけど、そのせいで使者から『リビーは子供っぽいから王太子妃候補にふさわしくない』って思われたら嫌だったので、我慢することにしたのだ。


(自然に部屋の中に入るためには……と!)


 ちょうどいいところに、侍女がお茶やお菓子を持って応接室にやってきた。


「ねえ、わたしもお手伝いしたい!」

「まあ、お嬢様……けれど」

「お兄様の大事なお客様だもの。わたしがおもてなししなきゃ、でしょう?」


 一所懸命に瞳を輝かせてそう言うと、侍女たちは大いに心を打たれたらしい。わたしにお茶菓子のトレーをひとつ持たせてくれた。……この家の住人たちは、わたしとゼリックの義兄妹愛にめっぽう弱いのだ。