復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

 時が流れるのは案外早い。わたしは五歳に成長していた。

 この二年の間に、できることが格段に増えた。文字をスラスラ読めるようになったし、書けるようにもなった。魔法も多少は扱えるようになってきたし、きちんとした淑女教育を受けはじめた。


(本当は『神童』って呼ばれるのが理想だったんだけどね)


 王太子妃候補ってきっと、家柄や頭の良さから選ぶことが多いでしょう? 前世で十三歳まで生きた記憶を駆使すれば、現世で無双できるんじゃないかって、わたしはちょっとだけ期待をしていた。

 だけど、我が家には出来の良すぎる長子――ゼリックがいる。

 わたしだって同世代の女の子と比べたらそこそこいい線いくんだけど、ゼリックの実績がすごすぎたため、まったく目立つことができなかった。

 ゼリックときたら、一度読んだものは読み返す必要なく覚えてしまうし、大人でも理解困難な数式を解き、新たな魔法具を産み出し、近隣の領地で災害が起きた際には治癒魔法でたくさんの人を救ったということで、周囲から一目も二目も置かれている。
 今日なんかは王宮から使者が来て、ゼリックになんらかの勧誘をしているみたい。