復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「……ねえ、ゼリック」

「ん? どうしたの? リビー」


 わたしを抱きしめながらゼリックが返事をする。純粋無垢な表情で見上げられ胸がキュンと疼くのを我慢しつつ、わたしはゼリックに向き直った。


「わたしがアインハード殿下のパートナーになるの、嫌だった?」

「もちろん」


 尋ねた途端に即答され、わたしは思わず笑ってしまう。拗ねたような表情のゼリックがたまらなく可愛く、愛しく思えてきて、わたしはそっとゼリックを撫でた。


「リビー、復讐はもうやめるんだよね?」

「え? ……うん」


 改めて尋ねられて少し戸惑ってしまったものの、わたしはコクリとうなずく。


「それじゃあ、もうアインハードの妃を目指す理由はないね? 彼とパートナーになることも、二度とない。そうだよね?」

「……うん」


 ゼリックがあまりにも真剣な表情で捲し立てるから、わたしは思わずドキドキしてしまった。


「よかった」


 そう言ってゼリックが無邪気に笑う。わたしのことを愛してるんだってひと目でわかる笑顔に、胸が一気に熱くなる。


(ゼリックには敵わないよ)


 おそらく一生、死ぬまで敵わない。
 そんなことを考えながら、わたしは目を細めるのだった。