復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「それじゃあ、帰ろうかリビー」


 と、ゼリックがわたしを横抱きにしてくる。

 その途端、止まっていた時間が再び動きはじめ、ガヤガヤと音が聞こえだした。


「ゼリック!? いつのまに」


 そう口にしたのはアインハードだった。――驚くのも無理はない。ついさっきまで、わたしは国王と談笑していたはずだったし、そこにはゼリックはいなかったんだもの。


「アインハード殿下、申し訳ございません。リビーは体調を崩したようなので、僕が家に連れて帰ります」

「は? いきなりなにを……」


 アインハードが止めるのも聞かず、ゼリックは出口に向かってスタスタと歩きはじめる。


「それから、体が弱いリビーに妃は無理です。ほかを当たってください」

「なっ! おい、ゼリック」


 聞こえないふりを決め込んだゼリックはわたしを連れて城内を闊歩し、さっさと馬車に乗り込んでしまった。