復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「だけどね、リビーがいてくれるから僕は寂しくないんだよ」

(うっ……!)


 良心の権化であるゼリックが側にいると、どうにも毒気を抜かれてしまう。

 ハイハイを頑張らなきゃって思っていても、ゼリックに抱っこをしてもらうとひたすら甘えたくなるし、起きていられる時間を延ばしたいと思っても、ゼリックのトントンには抗えない。本当に赤子泣かせのお兄様だ。

 今だって、乳母車の揺れがあまりにも心地よくて、だんだん眠たくなってきてしまった。


「ねんねしていいよ。起きたら僕が絵本を読んであげるからね」


 ゼリックが笑う。たったそれだけのことなのに、心と体が温かくなった気がした。


(今はまだ、ゆっくりしていてもいいよね)


 足掻いても、すぐに大きくなれるわけじゃない。身体能力も言語能力も、まだまだ身に着けられないんだもの。

 だから、どうか今だけ。赤ん坊としての日々を謳歌させてもらいたい――そんなことを思いながら、わたしは目をつぶるのだった。