復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(本当に?)


 鏡の前の自分を見つめながら涙がポロポロとこぼれてくる。
 怖い。
 わたしのことなんてどうでもいい。だけど、だけど――ゼリックが傷つくのは絶対嫌だ。


『殺しなさい』


 その瞬間、頭の中で前世の両親の声が響いた。
 何度も、何度も。頭の中が二人の声でいっぱいになる。わたしの声が聞こえなくなるまで、ずっと、ずっと。

 ――やっぱり両親を裏切ることなんてできない。わたしは二人の無念を晴らさなければいけないんだ!


(よしっ)


 頬を叩いて自分に気合を入れ直す。
 今夜は大一番だ。わたしはきっと、アインハードにプロポーズをさせてみせる。そうして復讐への大きな一歩を踏み出すんだ。