復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「リビー! 会えてよかった!」


 アインハードは会うなりわたしの手を握ってくる。わたしは気持ち手をアインハードから遠ざけつつ、謝罪をしながら微笑んだ。


「ゼリックの控室にも行ってみたんだ。だけど、いつも不在で」

「いやぁ、まあ……はは」

(アインハードが来るだろう場所は全部避けていたからね)


 ゼリックは人の考えを先読みするのがとにかくうまい。だからこそ、逃亡期間中は一度もアインハードと遭遇せずに済んでいた。ガゼボや階段の踊り場、寮の談話室などなど、毎回違う場所に逃げ込んでいたので、かくれんぼと鬼ごっこをしているみたいで少し楽しいと思ったのは秘密だ。


「それより、会えてよかった。リビーに渡したいものがあるんだ」

「渡したいもの、ですか? なんでしょう?」


 アインハードはいつの間に呼び寄せていたのか、お目付け役の男性たちに目配せをする。それから、わたしに向かって大きな箱を差し出した。