復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

 それから数日間、わたしは全力でアインハードから逃げ回った。昼休みも放課後も、ほんの数分しかない授業の合間も、全部。
 幸い、逃亡先には困らなかった。わたしには全知全能の神、ゼリックがついているからだ。


「リビー、おいで」


 ゼリックはわたしを匿うだけでなく、仮眠を取らせてくれるし癒やしてくれる。おかげで夜にはまた現世の両親の夢を見るようになったものの、以前のようには睡眠不足を感じなくなった。


 そして、この逃亡劇で得をした人間が一人いる。シャルロッテだ。


「リビーのおかげでアインハード殿下とたくさんお話ができて幸せだわ」


 毎時間のようにアインハードがわたしたちの教室を訪れるので、そのたびにシャルロッテが対応をしてくれている。おかげで名前と顔は完全に覚えてもらったとご満悦だ。
 ただ、他のクラスメイトによると、わたしがいないと知るなり探しに出ようとするアインハードをシャルロッテが強引に引き止めているので、見ていて結構危なっかしいらしい。変なトラブルが起きないことを祈るばかりだ。


(今日はもう門限を過ぎたから、アインハードがここに来ることはないもんね)


 おかげでゆっくりシャルロッテと話せる。わたしはホッと胸を撫で下ろした。