復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

『大丈夫だよ』


 そんな言葉とともに、肩のあたりがポンポンと撫でられた。さっきまで燃えるように熱かった体が少しずつ平熱へと戻っていく。と同時に、失われていた体の感覚が戻ってきて、なんだか自分が重たく感じた。


(眠いよ、ゼリック)


 もうずっとまともに眠れていない。夢と現実の区別がうまくつかないんだ。
 だけど、本当はそれだけじゃない。辛くて苦しくてたまらない。なんのために頑張っているのか――どうして頑張らなきゃいけないのかわからなくなってしまった。


『今は眠って』


 ゼリックの子守唄が聞こえる。大きな手のひらがわたしを包み込んでくれている感覚も。


(……うん)


 今は両親の声が聞こえない。手のひらがとても温かい。だから久しぶりにぐっすり眠れる気がする。


 それからどのぐらい経っただろう? わたしはゆっくりと目を開けた。