復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(どうしよう)


 こんなにトントン拍子でことが進むなんて思ってなかった。アインハードとの交流を深められるのは、もっともっと先のことだと思っていたのだ。これからどんなふうに振る舞えばいいのか、わたしにはちっともわからない。


「リビー」


 わたしの名前を呼びながら、アインハードがわたしの顎をそっと掬う。わたしは思わず目を見開いた。


(え? えええ?)


 戸惑っているわたしをよそに、どんどんアインハードの顔が近づいてくる。まずい。このままいったら唇が重なってしまう。……いや、それでいいのか? だけど、心の準備がまだだし! なによりゼリックの顔がちらつくんだもの。


(わたし……わたしは……)

『殺せ』


 とそのとき、頭の中でダイレクトに声が響いてきた。夢で何度も聞いたのと同じ、現世の父親のものだ。