開始の合図があってから、わたしたちは林の中に入った。
前世の遠足で山登りは経験しているものの、あまりいい思い出はない。なんでかというと、親がまともな靴やリュックサックを買い与えてくれなかったし、お弁当も準備してくれなかったからだ。先生たちが気の毒がって自分の弁当を分けてくれようとするんだけど、わたしはどうしても受け取れなかった。あまりにも申し訳なかったからだ。そんな状態だから山頂に到着するのは本当に大変で、毎回死ぬ覚悟をしていたことを思い出す。
「リビー、大丈夫か?」
木の根っこを踏み越えながら、アインハードがわたしに向かって手を伸ばす。このぐらいへっちゃらだって思ったけど、せっかくの接触チャンスを逃すわけにはいかない。わたしはアインハードの手を握り返した。
「ありがとうございます、殿下」
「この辺はぬかるんでいるし、転びやすいから気をつけて」
アインハードはまるで夜会会場を進むかのごとく、わたしのことをスマートにエスコートしてくれた。出会った頃と比べると別人かと思うほどのものすごい成長ぶりだ。
前世の遠足で山登りは経験しているものの、あまりいい思い出はない。なんでかというと、親がまともな靴やリュックサックを買い与えてくれなかったし、お弁当も準備してくれなかったからだ。先生たちが気の毒がって自分の弁当を分けてくれようとするんだけど、わたしはどうしても受け取れなかった。あまりにも申し訳なかったからだ。そんな状態だから山頂に到着するのは本当に大変で、毎回死ぬ覚悟をしていたことを思い出す。
「リビー、大丈夫か?」
木の根っこを踏み越えながら、アインハードがわたしに向かって手を伸ばす。このぐらいへっちゃらだって思ったけど、せっかくの接触チャンスを逃すわけにはいかない。わたしはアインハードの手を握り返した。
「ありがとうございます、殿下」
「この辺はぬかるんでいるし、転びやすいから気をつけて」
アインハードはまるで夜会会場を進むかのごとく、わたしのことをスマートにエスコートしてくれた。出会った頃と比べると別人かと思うほどのものすごい成長ぶりだ。



