復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(わたしだって、眠れるものなら眠りたいよ)



 だけど、眠るたびに現世の両親が夢に現れるから、ちっとも疲れが取れないんだもの。
 しかも、最近は実家にいた頃より症状がひどくなっている。夢と現実の区別がつかなくなってきた感じがするというか、すぐ側に両親が立っていて常に『殺せ』って囁かれているような状況なのだ。
 それが枕が変わったせいなのか、疲れがたまっているせいなのか、その両方なのかはわからない。だけど、わたしだって困っているんだ。


「大丈夫だよ、リビー。僕がついているからね」


 ゼリックが言う。わたしを運ぶ小刻みな揺れが心地良い。


「……そういえば、赤ちゃんの頃はこうやってお兄様にしょっちゅう抱っこしてもらってましたね」


 なんだかとても懐かしい。……って、もう十五年も前のことだから当然だ。


「ちょうど今、僕も子供の時のことを思い出していた。リビーも覚えてくれているなんて嬉しいな」

「え? ええと……そんな気がしただけです。だってお兄様ですもの。わたしが生まれたときから当然溺愛してくれていたでしょう?」


 危ない危ない。普通の子供は赤ん坊の頃のことなんて覚えていないもの。わたしが転生者ってこと――というより、エルシャとしての記憶があることをゼリックに知られたらとてもまずい。誤魔化さなきゃ、だ。