復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(なによ。そんなふうに謝れたらこれ以上怒れないんですけど)


 本当にゼリックは素直で純粋なんだから。すっかり毒気を抜かれつつ、わたしは静かにため息をついた。


「だけど、睡眠時間はきちんと確保しなきゃいけないよ。そうじゃなきゃ、移動のたびに僕がリビーを運ぶことになる。僕は嬉しいからいいけど」

「それはわたしがダメです!」


 他の人ならさておき、ゼリックが言ったら冗談にならない! 移動のたびに兄(=講師)に運ばれる生徒なんて、あり得なさすぎる。というか、そんな人間が王太子妃に選ばれるなんて夢のまた夢だろう。
 ゼリックは慌てるわたしを見つめつつ目を細めた。


「だったら、ちゃんと睡眠時間は確保すること。いいね?」

「……はい」


 わたしは渋々そう返事をした。