復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(まあ、言えないよね)


 パパが仮にわたしの本当の名前――エルシャ――を知っていたとしても、そのままの名前で育てるわけにはいかない。危険過ぎる。むしろ、そのぐらいの分別を持ってくれていてよかったと心から思った。


「うーーん、どんな名前がいいかしら?」


 ママが真剣な表情でわたしを見つめる。わたしに聞かれても返事のしようがないのに、本気でこたえが返ってくると思ってそうだ。まあ、普通の赤ん坊なら、なんて尋ねられているのかすら理解もできないわけだけど……。


「リビー!」


 と、ゼリックが言う。


「リビーはどう? だって、天使みたいに可愛いんだもの。この子は絶対、神様に愛されているに違いないよ! ね、リビー」

(うぅ……)


 わたしの兄が――ゼリックがとてもまぶしい。


「リビーか。とてもいい名前だね」


 パパやママがゼリックのことを優しく撫でる。どうやらこのままリビーという名前に決まりそうだ。


(リビーか……うん。いい名前だと思う)


 三人から抱きしめられつつ、わたしはそっと笑うのだった。