復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(ようやく復讐計画が進められるわ)


 わたしはため息をつきつつ、校舎へと向かう王太子アインハードの背中を見る。

 ここに至るまでとても長かった。復讐は赤ん坊の頃からの悲願のため、約十五年間もチャンスを待ち詫びていたことになる。


(だけど、ここから先はもう邪魔は入らない)


 先程のアインハードとのやり取りを思い出しながら、わたしは口の端をニヤリと上げる。
 このまま頑張っていたらきっとイケる。絶対に王太子妃に選ばれて、復讐を成し遂げるんだ――! そう意気込んだそのときだ。突然背後から誰かにギュッと抱きしめられてしまった。


「きゃっ! だ、誰?」


 スリ? はたまた痴漢? ……いや、警備もしっかりした学園内でそんなことする――? 頭の中でそんな疑問が駆け巡る。
 だけど、次の瞬間、清涼感のある香水の香りと、慣れ親しんだ温もりに目を瞠った。