復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(うわぁ……)


 ゼリックは本当に純粋だとわたしは感じた。わたしがこの家に連れてこられた経緯だったり、前世のことを考えると、近づくことがためらわれるような無垢さ加減。綺麗すぎて汚したくないから、できることなら距離を置きたい――けど、赤ん坊のわたしは満足に体を動かせないわけで。


「すっごく可愛い!」

(可愛いのはあなたです!)


 わたしを見つめながら満面の笑みを浮かべるゼリックに、わたしは内心で「んんっ!」と息をのむ。ただ、そう思ったのはわたしだけじゃなかったようで、ママや侍女たちのほうから同じような声が聞こえてきた。


「ねえ、この子のお名前は?」

「あら、そういえばそうね……」


 そう言ってママは、いつの間にかわたしたちの側に来ていた男性――パパに向かってそっと目配せをする。パパはすぐに小さく首を横にひねった。