復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

「リビー」


 と、後ろから声がかけられた。低くよく響く声。振り返るとそこにはアインハードがいた。


「アインハード殿下、ご無沙汰しております」


 満面の笑みを浮かべて、わたしはアインハードに頭を下げる。

 十八歳になったアインハードは子供の頃とは打って変わり、カッコいい大人の男性へと変貌を遂げていた。元々顔面国宝級の美しい顔立ちをしていたけど、内面から滲み出る自信的なものが感じられるようになったし、王族らしい気品が漂っている。ゼリックを『静』だとするならば、アインハードは『動』というか――つまり二人は違うタイプのイケメンで、眼福だなぁなんてことを思う。


「ああ。リビーも元気そうでなによりだ」


 アインハードはそう言って、わたしの手の甲にキスをする。これまでなかったやり取りに、少しだけドキッとしてしまった。もしかして、知り合いみんなに同じことをしているのだろうか? それとも、今まではゼリックが横についていたから、そういうのがなかっただけ?
 動揺を悟られないよう気をつけつつ、わたしはニコリと微笑んだ。