復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

(思っていたよりあっさりしていたな)


 王立学園に向かう馬車に揺られながら、わたしはそんなことを思う。
 ゼリックとは屋敷の前でバイバイをした。もっと涙、涙の別れになると思っていたのに、ゼリックは「気をつけてね」って言うぐらい。まるで街に買い物に出かけるような気軽さで送り出されてしまった。幼少期はゼリックが一緒か、騎士をつけるようにって口を酸っぱくして言われたのに、すごい変わりようだ。


(案外妹離れが進んでいるのかな)


 なぜだかズキンと胸が疼く。ついさっき、ゼリックにシスコンを卒業しろと言ったばかりなのに、とても自分勝手だ。

 でもでも、『週末は帰ってくるように』とか『手紙をたくさん書いてほしい』ぐらいのことは言われると思ってたんだもん。わたしがいなくなったら絶対ゼリックは寂しがると思っていたのに、案外そうじゃなかったんだなってわかるとなんだか悲しい。