復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

 状況としてはゼリックが王立学園に通うようになった五年前と似ているようにも思えるけど、実際のところまったく異なる。
 なぜなら、わたしもアインハードも学園内の寮で暮らすし、外部の人間は容易く学園内に入れない。つまり、ゼリックの邪魔は入らずアインハードと交流し放題。最高の環境ということだ。


 ちなみに、ゼリックは王立学園卒業後にパパと同じ魔術師団に入団し、王宮魔術師になった。配属先の関係で、金糸の入った真っ白なローブが制服なんだけど、ゼリックの雰囲気にピッタリ似合っていて神々しさが増して見える。わたしはローブのデザイナーに対して密かに称賛を送った。

 なお、結局この五年間でゼリックに婚約者はできなかった。わたしが用意した婚約者候補たちはもちろんのこと、クラスメイトや後輩たちからも熱烈に慕われていたのに、今は誰とも結婚する気はないと公言してしまったからだ。


(アインハードには『ちゃんと考えてる』って言ってたくせにね)


 まあ、ゼリック的には『自分の結婚話のせいでわたしを危険にさらした』ってことで、そういうことは極限まで避けて通りたいと。そのためには公言するのが手っ取り早いということで、わたしの止めるまもなくあっさり話を進められてしまった。


 でも、学生時代はまだしも、二十一歳になった今でも婚約者すらいないのはもったいないと思う。だって――。